有人惑星間航行(インター・ステラー)
題名であるインター・ステラーとは、地球を離れ新たな居住可能惑星探索を行うためワームホールを通過し、別の銀河系へと有人惑星間航行(インター・ステラー)することを指す。
この映画は時空を超えるSF映画としては、かなりのレベルの高さにあることは間違いない。
まず、クリストファー・ノーラン監督によるオリジナル作品であること。
宇宙物理学
そして、何を言っても、素晴らしいのは宇宙理論に関して、彼なりの観点から、映画の中に反映させていることである。
特殊相対性理論(ウラシマ効果)、ワームホール、重力波、特異点、次元に於ける不可逆性の時間と重力場、ニュートン力学、音の伝達、運動の三法則等々、かなり綿密にその理論が描かれている。
学生時代に学んだ物理学の基本原則が出てきているのは注目に値する。面白い。勉強になる。
何故、ここまで凄いのかは、ノーベル物理学賞受賞の理論物理学者のキップ・ソーンを科学コンサルタント兼製作総指揮を務めてさせているからだ。
凄すぎ、道理でなんか理論的に、こういうこともあるんだなと思ってしまうのだ。
娘マーフィーと重力波
そして、この映画の背景にあるのは、タイムマシン系映画ではお決まりの近未来での地球の危機なのだ。
近未来は、異常気象・世界的な飢饉により、人類は滅亡の危機に晒されていた。
映画では、元宇宙飛行士主人公クーパーの家族が経営するトウモロコシ農場に吹く宇宙風の黄ばんだ画面に地球の危機が良く映し出されている。
家族の10歳の娘マーフィー(マーフ)が、キイパースンとなる。
マーフは自分の部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象を幽霊のせいだと信じていたが、ある日クーパーはそれが何者かによる重力波を使った二進数のメッセージではないかと気が付く。
また、地球出発時点のクーパーと同い年に成長したマーフは、重力の研究を行っていた。ここも肝。
ワームホールとタイムパラッドクス
この映画、宇宙空間及び宇宙での話が多くなるが、土星近傍のワームホールを通り抜けて、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト――ラザロ計画はポイントだ。
ワームホールを通過し、第二の地球となり得る惑星を探すミッションとは面白いではないか。現実にそういうことがあってほしい。土星の近くにワームホールが存在するという設定は凄くないか?宇宙船エンデュランスもポイントだ。
この宇宙船には、人工知能ロボットTARSとCASEの二体が乗っている。ここも、将来絶対にありうるところですね。また、凍上した4名の宇宙飛行士の葛藤。
宇宙でのタイムマシン系に関しては、ワームホールを抜けた到着先の水の惑星での一時間は地球の七年間に相当するとか、この惑星での時間の経過の描き方が重要だ。
この惑星から危機一髪でクーパーらはエンデュランスに帰還するが、そこでは23年あまりが経過している。
エンデュランスで主人公の帰りを待っていた隊員はすでにおじいさんになていたのだ。こういうところにも、宇宙での時のパラドックスがあるのだ。
4次元超立方体の空間
この映画の重要なところは、クーパーとTARSが、無数の立方体が幾重にも折り重なった 4次元超立方体の空間に辿り着くところだ。
クーパーはそこが、マーフの部屋を通じて地球の過去、現在、未来全ての時間と連結している空間であると気付く。
クーパーは重量波を操作して本棚から本を落とす等して過去のマーフと交信を試みるところにこの映画のポイントがあろう。
秒針の動きからそれをモールス信号だと紐解き、その特異点のデータを使い、娘マーフは重力問題に解を見つける。
父と子の長い物語
最後は、クーパーが土星の軌道上に建造された巨大スペースコロニー内部の病室で目覚める。
そこで、クーパーは年老いたマーフと彼女の大勢の子や孫たちとともに再会を果たす。
ここにも、宇宙旅行のタイムパラッドクスがある。
クーパーは修理したTARSとともに小型宇宙船に乗ってアメリアを捜索しにコロニーを後にする。
父と子の長い物語だ。結構人間臭い宇宙タイムパラドックス映画となっている。この宇宙飛行士役に、マシュー・マコノヒー。いい味出してます。共演にアン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マイケル・ケイン。
必見のタイムマシン系宇宙物理理論系SF映画の金字塔でしょうか?!素晴らしい。
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