身の上話と佐藤正午と宝くじと別れ道

佐藤正午

気になる小説家と言えば、やはり、佐藤正午。普通の日常から起こり得るストーリーを書かせたら、この人を超える人はないであろうな。

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隠れた名作ドラマだったりして

宝くじを使ったストーリーとしては、面白過ぎる展開で、あり得るかもしれないなと思わせてくれた久しぶりのサスペンスチックなドラマ。ミチルという娘を妻にした男の一人語りから始まる物語。宝くじで2億円を当てたことから生活が変わってしまった娘がどのように転落していくのかにドキドキしたりする。

このドラマと小説の面白いところは、佐藤正午のいつものスタイルなのだけど、人生は選択の連続と意思決定次第の世界ってところに行き着くところだね。自分の意志をしっかり持たずに、流されるままに生きていくと、人生はどうなっていくのかって辺りを映し出しているな。人生ってのは、その選択判断一つで変わってしまうのだね。

しかし、自分の周りにも、シリアルキラー的な存在のとても信頼できそうな友人がいたりするかもしれなくて、選択判断や意思決定の優柔不断さだけでなく、今の世の中、意外と怖い人がその外見上とは違い、近くにいるかもしれないなとツクヅク思ったりもしたりして。そんなこんなで、最悪の人生の幕が開けてしまうことは、喜びの向こう側に意外とあるのかもしれないなと思う話であったのだ。コワい、怖い、コワい。

小さな嘘と気まぐれな行動、そして1枚の宝くじが運命を狂わせる。
それは誰の日常にも起こりうる衝撃のサスペンス!
原作・佐藤正午、戸田恵梨香主演の「書店員ミチルの身の上話」が遂にDVD&ブルーレイで登場!

■NHK初主演となる戸田恵梨香が好演!
どこにでもいそうなごく平凡な、それでいてどこか危うさのある主人公・ミチルをNHK初主演となる戸田恵梨香が好演!

■実力派の豪華キャスト陣!
戸田恵梨香を主演に、大森南朋、高良健吾、安藤サクラや等の実力派俳優、そして、浅田美代子や平田満などのベテランまで揃えた豪華俳優陣!

■原作は佐藤正午の「身の上話」!
日本推理作家協会賞、長編及び連作短編集部門候補ノミネート作品にもなったサスペンス、ミステリーファン必見の原作をドラマ化!

[内容解説]
「もう少しだけ幸せになりたい」とついた小さな嘘。気まぐれな行動。そして一枚の宝くじが、平凡な人生を送るはずだったヒロインの運命を大きく狂わせる。
裏切り、嘘の連鎖、殺人、そして逃避行。次々と起こる予測不能の事件がヒロインを翻弄する、じわりと怖い衝撃のサスペンス。
NHK初主演の戸田恵梨香が「流転のヒロイン」を演じる。

【あらすじ】
ミチル(戸田恵梨香)は地方都市の書店に勤める平凡な女性。久太郎(柄本佑)とつきあって一年になるが結婚には踏み切れない。
ミチルのささやかな秘密は、東京から来る出版社の営業マン・豊増(新井浩文)との不倫。
ミチルは「歯医者に行く」という口実で書店を抜け出し、帰京する豊増を見送りに行き、はずみで一緒に飛行機に乗り、そのまま東京に居ついてしまう。
そして、職場の仲間に頼まれて買った宝くじが1等・2億円の当選券とわかり・・・ミチルの運命の歯車はスリリングに回転しはじめる。
ミチルは当選を誰にも告げず、2億円が振り込まれた預金通帳を抱えて放浪する。ミチルを慕う幼なじみの竹井(高良健吾)は、東京でのミチルの唯一の拠り所となるが、やがて意外な正体を見せる。
ミチルを探して上京した久太郎は事件に巻き込まれ、豊増も謎の失踪をとげる。どこまでも転落していくミチルの行き着く先は?
ドラマは、「ミチルの夫」を名乗る男(大森南朋)が妻の「身の上話」を語る、謎めいたスタイルで進行する。
そして男が抱える驚愕の真実が、最後の最後に明らかになる。

[特殊内容/特典]
【特典映像】
■プレマップ
■5分でわかる 第1回~最終回
■コレ見て! Movie
■ドラマチックアクターズファイル
■書店員ミチルの身の上話 撮影日誌

今はなき、あの名優新井浩文も出ていたのであった。それにしても、この戸田恵梨香の自然体的な演技力の素晴らしいこと。これだけでも、観る意味はありますね。佐藤正午の原作小説を上手に演じきっているのであった。この女優、末恐ろしいかも。

出典:NHK書店員ミチルの身の上話

なら小説読むだろうな

テレビドラマも面白いし、小説も面白い。佐藤正午のストーリーテラーさが覗える自分の周りでも起きそうな日常をエンターテインメントにした作品。上手いとしか、言いようがない。

人間、自分には転落話はないだろうと思っているかもしれないが、そうでもないかもしれないと気づかさせてくれそうである。人間の意思決定と選択の問題であるが、未来とは実は予想もつかないのである。だから、その後の佐藤正午の小説を読むと、彼はこの「過去・現在・未来」の時間の連鎖にとても執着・拘泥していくのである。僕たちの毎日の日常の前には、いつも2つの道があるのだろうね。として。若ければ若い時ほど、その選択する道によって、見えてくる未来に違いが出てくるのだ。それは本当に人生の分かれ道になるかもしれない。宝くじに誰も興味を湧くのはその金額だけでなく、その後の分かれ道の人生の選択にあるのかもしれないね。

兎に角、観たこと・読んだことのない人にはお勧めの作品。こんな過去の作品が貴方に多分新しい別れ道での選択の仕方を教えてくれるかもしれませんよ。

妻の身の上についての話。いろいろな男の人が出てきますが、まずこれを語っているのはその中の誰なのか。そしてなぜ語っているのか。それらが最後にわかります。もちろんそれらがわかるも面白いのですが、身の上話の中身自体がとても面白いです。まったく先が読めません。

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