前回の竹野内豊の主演映画についての第2弾です。前回、初主演からの3本の映画をみるに、彼の映画選択がナカナカ渋くて、俳優としての意識が結構骨太ではないかと感じたものです。
彼の主演映画の変遷はどうなっていくのでしょうか?気になるところですね。さあ、果たして、彼の俳優としての存在に良き風を感じる映画でしょうか。今回は、2本取り上げてみました。
大木家の楽しい旅行 新婚地獄編
コメディ系映画と竹野内豊
なぬ?竹野内豊がコメディに出てるの?あの渋い声で。
とにかく、コメディ映画に竹野内豊は初主演したのである。彼は、戦争映画の後にコメディ。うーん。相変わらずのこの揺れ幅の大きさ。さすが、竹野内豊という俳優なのである。
しかしながら、ずいぶん前に観ましたが、面白かったであります。何故なら、映画自体も脱力系のくだらなさ満載のハチャメチャ・コメディだから。竹野内豊が真面目にコメディに出ていることだけで、それは実に笑えるのであります。
まあ、共演が水川あさみであるというところや脇役が当たり前だが豪華なオモシロ系俳優が多いこともあり、バカバカしく笑ってストレス発散したい人にはお勧めでしょうね。
それでも、映画の触れ込みは、「愛と笑いのヒューマン・コメディ」となっているのだから、それなりにヒューマンなホッコリ部分もあるのである。
竹野内豊と水川あさみの新婚夫婦のゆるゆるの日常と倦怠感。そして、その向こうにある地獄旅行を通じて、夫婦とは何かや生きている意味のことなどをそれなりにほっこりと散りばめてくる映画なのである。
お笑いでなり竹野内豊がお笑い系要素の多い水川あさみと夫婦を上手にそこらあたりを演じてくれています。二人とも、本当に、自然体で演じているね。決して、バカで終わる映画ではない、のだ。
やるじゃないか、竹野内豊。
今回、竹野内豊は驚きの目をするも、やはり、その奥には、彼の心を感じさせる優しい目があるなという感じでやんした。
あらすじと本
この映画の原作・脚本は、劇団「五反田団」の前田司郎なのである。だから、面白いのである。
ちなみに、前田司郎さんってのは、
1977年東京都生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。劇団「五反田団」主宰。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。08年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で第52回岸田國士戯曲賞受賞。09年「夏の水の半魚人」が第22回三島由紀夫賞受賞しています。かなりの御人なのであります。
ニシノユキヒコの恋と冒険
竹野内豊は、ここにいくか
コメディ系の映画の後に、この映画。あえて、竹野内豊はここにいくか。侮れないな。貴君の主演映画として、これを選ぶか。素晴らしい。
モテる男。死ぬほどモテる色男・ニシノユキヒコ。
真実の愛を探して彷徨った彼の美しく切ない人生を、7人の女たちとの恋愛模様から描き出す。
平成の色男を演じさせるのなら、竹野内豊にしたところが良い。
死ぬほどモテる男のおかしみとかなしみ。
このおかしみとかなしみを演じさせるのは、やはり、竹野内豊しかないか。
あらすじと本
このDVDに関するカスタマーレビューが良かった。参考に載せておくと。
好きなシーンを繰り返し観てしまう。とんでもなく面白いってことはないけれど、じんわり心に残る日本映画。
多少の間延び感はあるものの、出演者がみんなキラキラ輝いている。
また、本編も然ることながら特典映像が満載で素晴らしい。
出演者それぞれのインタビューや、撮影現場でのやり取りを見ているだけで楽しめる。ただ、未公開シーン集はあまり期待しない方がいいかも知れない。竹野内さんは勿論のこと、女優陣が最高に可愛い映画です。ニシノユキヒコはルックスもGOOD、仕事もGOOD、女性には抜群に優しい。尾野真千子も木村文乃も本田翼も成海璃子だってユキヒコが好きである。それなのに何故女性たちはユキヒコから離れて行くのだろう。ユキヒコは女性たちにとって恐らくNO2なのであろう。彼氏として付き合う分には良いけれど、結婚相手としては、BADなのである。何でも出来てどんな女性に対しても優しい二枚目は、一生付き合う相手としてはコワイ存在なのである。いつも気にかけていないと心配だからである・・・・・・と誰かが言ってた。男性だって完璧な女性を結婚相手にすると、最初のうちは良いけれど、やはり日が経つと妻に対して余分な心配もしなければならないだろう。それと同じである。安住の家庭は少しだけ不完全な相手と一緒になることらしい・・・・・・と私はぼんやり思った。
カスタマーレビュー
そして、映画の原作となるのは、川上弘美の小説である『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮文庫刊)。川上弘美の小説はどれも良いよね。女性心理が上手く表現されている。
竹野内豊の今回
俳優としての竹野内豊は今回の主演映画2本はコメディ系ではあるかな。しかし、その中にも、ヒューマンなあたりの感じを竹野内豊が上手に演じているのかなという感じでした。人はある意味寂しいよね。そこの超え方を。
ニシノユキヒコに関しては、モテまくる男として竹野内豊オマージュ映画の感も強いのだけれど、それだけではない原作小説にもある男の寂しさやはかなさがあって、男から観ても、面白い映画と感じた。
ちなみに、竹野内豊の俳優人生は、映画の流れをみても面白い。色々なものに挑戦して、きっと、自分の中にあるであろう自分の知らない何かを、常に発見し続けていきたいんだろうな。これは、今の彼の脇役的映画などの出演に繋がる根底なのかもしれないね。
今回も、この2つの映画の中では、彼の関係する人への温かなまな差しが溢れている。ここにこそ、竹野内豊映画を観る意味や価値があるのかもしれない。
人の生きる意味。人と人との触れあい。人への思いやり。コメディ系映画2本であったのに、そこに至るようなものを持ってきた映画かな。今回の竹野内豊。やるのぉ、おぬし。
そう意味では、竹野内豊。結構、至宝ですぜ。
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