この男、永遠
松田優作を語ることは永遠を語ることだ。
この男、追随を許さない。
確かに、
「人間と神の間までのレベルに上がった人」
と言ったショーケンは正しいかも。
この男、存在自体が危ない
Black Rainは、最後の映画になった。病魔を抱えての悪人役は圧巻だった。
本人は病気で死ぬなんて思っていなかったと聞いている。
しかし、映画の松田優作の迫力は、はっきり言って、死を意識した迫力の演技としか言いようがない。ここに、悪魔がいる。
この男、存在自体が危ない。
高倉健もマイケル・ダグラスもアンディ・ガルシアも全く太刀打ち出来ない存在感だ。
生きていれば、この男、ハリウッド映画で、必ず、悪役で名をはせたに違いない。惜しい。本当に。
この男、言うことを聞かない
この男、顔に良く表れているが、全く言うことを聞かない。
その上、声が低音だ。その声で、あの言うことを聞かない喋りをする。
男共が惚れる男なのだ。最初から。こんな俳優が今いるだろうか?残念だ。
この男、ハードボイルド
殺し屋の鳴海昌平を主人公とする、ハードボイルドアクション映画シリーズ。
監督は松田優作映画の監督を多く務めた村川透。
低予算でここまで面白い作品が出来た。
『最も危険な遊戯』(1978年)
殺し屋・鳴海昌平は、ある日誘拐された電気会社社長の救出を依頼され、的のアジトに忍び込んで見事任務を達成したかに見えたが、そのとき社長は何者かに暗殺されてしまう…。
松田優作がダンディでエネルギッシュな殺し屋に扮し、その人気を決定づけた、いまや伝説的ハードボイルド・アクション映画シリーズの第1作。
『殺人遊戯』(1978年)
村川透監督と松田優作のコンビで、殺し屋のニヒルな活躍を描いた和製ハードボイルドシリーズ第2弾。
暴力団抗争の中、組長暗殺を依頼された殺し屋・鳴海は、敵対する組織にも同じ報酬で仕事を持ち掛ける。“<東映 ザ・定番>シリーズ”。
『処刑遊戯』(1979年)
村川透監督、松田優作主演によるハードボイルドアクション“遊戯”シリーズ第3弾。
一匹狼の殺し屋・鳴海は、バーで知り合った行きずりの女の命と引き換えに、ひとりの殺し屋を殺すという依頼を強要され…。“<東映 ザ・定番>シリーズ”。
松田優作と出会う
どの作品も、俺は、吉祥寺にあった小さいシアターで観た。
この3部作との衝撃的な出会いだった。
だから、今でも、吉祥寺に行くと、俺は松田優作を必ず想い出す。
鳴海昌平の昼と夜の顔の格差に羨望を抱き、鋼のような肉体の鍛え方に憧れを抱き、少ないセリフの中のユーモアに笑みを浮かべた。
今でも、「処刑遊戯」のラストに出てきた森下愛子演ずる時計屋の主人に言った言葉は忘れられない。
「最も危険が危ないよ」
コメント