人類最年長:島田雅彦

島田雅彦
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不老不死とは

人間が古来より一番欲しかったものは不老長寿なのであろう。エジプトでも日本でも、どこの国でも、不老不死にまつわる歴史的な偉人達の話は尽きない。どれだけお金があったとしても、健康で長生きをしなければ、何も意味がないとも言わんばかりに、この一点に集中するようである。

今のアメリカでもまことしやかに流されているウワサに、既に都市伝説化しているエプスタイン事件というものがある。このおぞましいウワサなんかも、はっきり言って、究極なところは不老長寿に行き着くような話なのである。どうしようもなく、人間としては鬼畜でグロくて最低な事件であるが。人間の欲望はそういうところにまで行き着くのだろう。これは、事実だとしたら、はっきり言って、悪そのものであるが。これが今の大統領選にも関係していると言うのだから、たまったものではない。

だが、今回紹介する島田雅彦の『人類最年長』とい不老長寿に関わる小説は、このようなおぞましいものではない。むしろ、主人公の男は、善人である。そして、ある意味、欲もない。そういう観点から、不老長寿の行く末について、島田雅彦は面白いストーリーを考えついたのである。近頃の面白い小説の1つであるのは間違いない。

小説『人類最年長』

通常の人よりも成長の遅い男の数奇な159年の人生が、日本の近代歴史と同調しながら語られる非常に面白い奇抜な発想に基づく作品。江戸・明治・大正・昭和・平成とそれぞれの時代のエポックメーキングな事件と何らかの繋がりを持たせながら話は進む。この小説の目指すところはどこなのであろうか?少なくとも、人は悪よりも善で生きた方が良いことは感じられた。それも欲深くなく。

文壇の鬼才が世に問う、圧倒的なイマジネーションと構築力による衝撃の書。江戸が東京になって、日露戦争、関東大震災、東京大空襲、そして平成の終わりまで、たったひとりで生き抜いた男がいた。
男は1861年3月13日、横浜で生まれた。とても成長の遅い子どもで、3歳になるまでまともに歩けず、ゆっくりと時間をかけて成長してからは、人並みに結婚もした。何度も死に損なったけれど、それなりに人生を楽しんで、あらゆるものを見てきた。五千円札の女と懇意になったり、朝鮮人狩りから少女を救ったり、ヤミ市の少年たちに自活の道を施したり、不死化細胞の研究に協力させられたり、数奇な運命とともに生きた。
この男、159年にも及ぶ人生最後の望みとは?30歳の女性看護師に何を託すのか。
さあ、夢見るようなタイムスリップが始まる!

商品説明

カスタマーレビューでは、これかな。兎に角、島田雅彦の奇抜な発想が良いかな。そして、日本版フォレストガンプってな意見もありだね。

かれこれ30年間島田雅彦さんの愛読者です。歴史、死生観、エロチズムを同時に楽しめますが、わからない人にはわからないと思います。目に見えるものしか信じなくなったら人間終わりだ。レビューの駄文は必要ないくらい、最後は涙します。

カスタマーレビュー

早めの映画化かドラマ化を望んでしまう俺でした。

コメント

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