ある女性作家の罪と罰
金がなくなると、売れなくなると、人間こういう方向に行くのでしょうか??
有名人の手紙を偽造していた女性作家リー・イスラエルの自伝の映画化。
あらずじ
落ちぶれまくった伝記作家のリー・イスラエル(メリッサ・マッカーシーの主演)は一人だし孤独だし、生意気だし、部屋は汚いし、文句ばかり言っているしアル中だし・・・で、何も良いところはない。全くと言って良いほどに。
なので、家賃滞納防御や猫の治療のための費用稼ぎのために、大切にとっていた大女優キャサリン・ヘプバーンからの手紙を古書店に売る。結構値が付くものだから、リーは古有名人の手紙の偽造をはじめ、大金を手にする。
ここで、古いタイプライターを沢山購入し、当時の有名人の手紙をタイプで打つのだ。リーはかつては有名作家であったのだから、それなりの素晴らしい手紙を偽造するのだ。
この辺りは実に本当は芸術なんだよね。文学にしても絵にしても音楽にしても、実は模倣から入るからね。だが、手紙偽造して本人のものと偽り金を得ていたら、やはり、犯罪なんだよね。結果、疑惑が広がり、FBIまで出てきて、リーは捕まるのだ。
映画の面白さ
この映画はbased on the true storyなので実話に基づいた話なのだが、何と言っても、役者のメリッサ・マッカーシーが物凄く個性的。流石、お笑い系役者。
ここまで痛快に言いたいことを言え、ある意味、ウィットに富んでいると存在が面白い。毒舌だが、不器用。だから、自分に正直。生き方が下手。まんま、どういしょうもない人だけど、憎めない。
そのセリフを聞いているだけでも勉強になるかもよ。こういう人の映画って、好きだな、やっぱし。
こういう人を主人公にした日本で公開されなかった残念な映画。今からでも遅くない、公開してほしいね、ホント。この主人公にシンパシーを感じる人は多いはずだから。
ビブリア古書堂 の事件手帖
次の文学の世界における昨今の犯罪映画は「ビブリア古書堂の事件手帖」(引用:映画公式サイト出典)かな。
鎌倉の古本屋・ビブリア古書堂。
現代パートは、若き店主・栞子(黒木華)が主人公。栞子が祖父から受け継いだ太宰治の「晩年」初版本を巡る犯罪的ミステリー。
昔パートは、夏帆と東出の文学的不倫の話かな。栞子の本への愛情と鎌倉と古書店が良かったなぁ。古書や古文書の鑑定って、本当に見極めがつくのかしら?といつも思う俺でした。
あまり、この映画では、全く持って、文学界の犯罪ではなかったですね。
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