哀しいニュース
とんでもないニュースが飛び込んできた。芦名星さん死去。36歳。死因については現在調査中とのこと。しかし、どうも、自死のようらしい。残念である。
その役者人生の中で主役級の役を演じることは少なかったが、とても良い印象を最初に自分が観た映画で感じたことから、脇役での彼女の活躍をずっと追ってきたのだけれど。こんなことって、あるの?三浦春馬氏に続いて、周りから見ても煌めいている役者さんが命を絶つことがあって、良いのだろうか?
ショック。どうして?しかし、そこは私の踏み込める領域ではない。私が彼女を見つけることが出来た作品のことを振り返り、少しでも、追悼の気持ちに変えるのが精一杯。
かなり昔になるが、そのくらい、新鮮な登場だったのだ。その映画とは。次の2つ。
鴨川ホルモー
知る人ぞ知る、面白エンターテイメント作を次から次へと世に出すことで一部のファンから崇めたてられている「万城目学」小説作品の中で、一番最初に映画化されたものである。そういう意味では、極めて、個人的には金字塔的な作品なのであった。私も万城目ファンの一人ではある。
内容紹介
京都を揺るがす阿呆の祭典、ここにあり!
「オニ」を操り、いざ勝負!!
“ホルモー”と叫ぶとき、何かが起きる!
第1回沖縄国際映画祭ゴールデンシーサー賞を受賞した『鴨川ホルモー』がDVDで登場!
■「鹿男あをによし」の万城目学の最高傑作、ついに映画化!
2008年1月、フジテレビ系にてドラマ化された「鹿男あをによし」が直木賞候補にもなった万城目学のデビュー作にして最高傑作が、オモシロすぎてついに映画化された話題作。京都の町を舞台に若者たちの阿呆な青春を描いた、万城目学原作の映画がDVD化。二浪でイカ京(いかにも京大生)のモテない安倍は、京大青龍会という怪しすぎるサークルの新歓コンパで美しい鼻を持つ早良に一目惚れし、うっかり入会してしまう。ただのレジャーサークルと思われていた青龍会だったが、会長から実は“オニ”を操り戦わせる謎の祭「ホルモー」を行うサークルだと告げられる…。
美しい鼻を持つ早良(さわら)
実は、主人公の山田孝之が新歓コンパでその美しい鼻に一目惚れしたの女性のこの早良(さわら)京子こそが、芦名星であったのだ。実に綺麗であったのだ。申し訳ないが、栗山千明より芦名星でありました。
オモシロ系ファンタジー映画であるがためか、芦名星の存在の美しさがやけに鼻についてしまったのである。
彼女に近づきたいがために、不思議なクラブに入部してしまう山田孝之。さんざん、芦名星に振り回される善良な人を演ずるのであった。
栗山千明のインパクトが大きい映画であるが、芦名星の美しさのインパクトも絶大であった。芦名星演じる早良京子は普段はおしとやかな女性であるが、こと恋愛になると、かなりの熱情家で、周りが見えなくなるという厄介な役柄であったのだ。そして、山田孝之を利用する自己チューなヒールの部分が映画の後半からわかってくるという展開になってくるので、そこも意外性があり、面白いところではあったね。
ファンタジー系映画ではあるが、芦名星がいないと成り立たない青春物語でもありました。
今も、Amazon Primeで、Prime会員なら、ただで観れるので、是非、観賞してください。
舞台:鴨川ホルモー
芦名星は、映画の後、そのまま、舞台の「鴨川ホルモー」にも参加したのだ。かなりの熱演をしている。そう、魅惑の鼻筋で主人公に愛されるヒロインの役を。
ことほどさように、私めは、芦名星を映画で始めて観た印象が強かったのである。ムムム、彼女は気になる女優だぞ。クールビューティーだけど。その後、そこまでメジャーにはならなかったが、脇役としてはそれなりのポジションを確保して、これからだったのに。
オニを操る小悪魔
この映画についてのインタビューで次のように言っている。
芦名さん扮する京子を特徴づけているのは、山田孝之が演じる主人公・安倍をメロメロにしてしまう“素敵な鼻”。当初は「私の鼻で大丈夫?」と不安だったと明かす。「そんなに言うほど、素敵なものでもないと思うんですが…(笑)。ただ、映画とは別に舞台版の『鴨川ホルモー』でも同じ理由で京子役のオファーをいただきまして、そこまで言っていただけるなら自信を持とうと、自分の中で決めました(笑)」。
出典:シネマカフェ
全然大丈夫でしたよ。素敵な鼻から入った人も、ここにいます。
シルク
この映画「鴨川ホルモー」の前年に、彼女は、日本・カナダ・フランス・イタリア・イギリスの合作映画『シルク』のヒロインの少女の役で世界的なデビューをしているのであった。なんと、この映画出演陣が凄い。キーラ・ナイトレイも出ているのだ。
その中で、新人に近い芦名星が800名の応募からなるオーディションを勝ち抜き、大役を得ているのである。
映画自体は、外国からみたら、日本はこういうような幻想的なイメージになるのかなという感じの文芸大作的なもの。大スター達に交じって、芦名星は大胆にその神秘的な日本女性の存在感を出したのではないか。
キーラ・ナイトレイ、マイケル・ピット、役所広司、中谷美紀、芦名星ほか豪華キャスト共演、フランスと日本を舞台に壮大なスケールで永遠の愛を描く感動のラブストーリー!19世紀のフランス。若き軍人エルヴェは、美しい女性と恋に落ち結婚する。幸せな新婚生活も束の間、彼は蚕の調達のため極東の地・日本へ旅立つことに。異国の地で案内された小さな村で、取引相手の妻として仕える謎めいた一人の美少女に魅せられる…。
商品説明
主人公が出逢い惹かれる神秘の少女役である。そして、芦名星の最初で最後のヌードである。
少女であるが、これまた不思議な存在役柄の役所広司の妻という設定の芦名星。
映画での芦名星の和服を着たうつむいた顔の公式画像をこの記事の頭出しに載せたが、それ自体が哀しい感じがしてならない。
本当に、残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
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