ヤクザ映画でスッキリする?
家で悶々とするのなら、ゲオの宅配で、DVDを借りて、スッキリしようではないか?一度は観たが、今回3部作をお安く借りて再度観ることを決行した。やはり、モヤモヤしているのなら、せめて、心の中はバイオレンスでも良いではないですか?ヤクザ映画とはいえ、アクション映画ともいえるので。
アウトレイジ3部作は、『アウトレイジ』・ 『アウトレイジ ビヨンド』・ 『アウトレイジ 最終章』 から成り立っているのは、知っての通り。タケシ扮する大友組の大友の暴力団抗争における仁義なき戦いがテーマだ。
アウトレイジ
関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織・山王会組長の関内(北村総一朗)が若頭の加藤(三浦友和)に、直参である池元組の組長・池元(國村隼)のことで苦言を呈す。そして、加藤から直系ではない村瀬組を締め付けるよう命令された池元は、配下である大友組の組長・大友(ビートたけし)にその厄介な仕事を任せる。こうして、ヤクザ界の生き残りを賭けた壮絶な権力闘争が幕を開けた。
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アウトレイジ ビヨンド
前回の抗争から5年後。
先代亡きあと会長が交代して新体制となり、関東の頂点を極めた暴力団【山王会】は、ついに政治の世界にまで手を伸ばし始めた。
巨大ヤクザ組織の壊滅を企てる警察組織は、山王会の過剰な勢力拡大に業を煮やしていた。そこで目を付けたのが、関西の雄である【花菱会】だ。
表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団の対立を目論み、刑事・片岡(小日向文世)は裏で策略を仕掛けていく。そんな中、驚愕の事実が持ち出される。なんと前回の抗争中に獄中で死んだはずのヤクザ、大友(ビートたけし)が生きていた!突然出所を告げられた大友。明らかに何かを企み、彼を出迎える片岡。「俺が死んだって噂流したのはお前か」
「誰がまたヤクザやるって言ったよ」
警察が仕掛ける巨大な陰謀と抗争の足音が着々と近づいてくる……。そのとき、大友はどう出るのか?
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アウトレイジー最終章ー
《関東【山王会】vs.関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた。そんな折り、取引のため韓国出張中の【花菱会】幹部・花田(ピエール瀧)がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、《国際的フィクサー【張グループ】vs.巨大暴力団組織【花菱会】》が一触即発の状態に。激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。時を同じくして、その【花菱会】では内紛が勃発していた……。
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注目できるヤクザ俳優は誰だ
自分なりの気になったヤクザ俳優はこんな感じですね。
加瀬 亮
『アウトレイジ』・ 『アウトレイジ ビヨンド』 両方に出演した加瀬亮の経済ヤクザは名演技だったね。大友組の金庫番。そもそもタケシ率いる大友組にいて組長と椎名桔平の若頭を裏切り、山王会に寝返るのだから。任侠道としての根性は曲がっているし、多分口だけはどぎつく達者な眼鏡キレ男を十二分に演じたよね。いい味出してました。とにかく、吠えまくっておりました。向いているねぇ。ヤクザ。
中野英雄
タケシにやられた村瀬組の若頭の木村役。村瀬組を潰すように命じられた大友にカッターナイフで切られる。刑務所で大友を刺して復讐を果たすが・・・。ビヨンドでは、大友と協力して、自分をワナにハメた奴らにリベンジを果たすも、また、騙され、殺されてしまう。中野英雄の性格の良さがそこはかとなくにじみ出てくるヤクザで、殺されたのは、ちょっと残念でしたね。というか、この映画、ほとんど、死んでますから。タケシの映画なので。
椎名桔平
タケシの大友組の若頭。相変わらずの渋さを展開してましたね。最後は、処刑に近い形で惨殺された。忠誠心の高い若頭を演じました。
三浦友和
三浦友和は、静かに悪いことをしていくヤクザとして、十分に末恐ろしさを展開していた。山王会本家若頭。山王会のナンバー2。 会長の関内に対しては、理不尽に叱責されようと無言で服従する彼の右腕。冷静沈着な策略家で頭脳派。終盤に大友組の粛清を終えた小沢を関内の命令で射殺するが、返す刀で関内本人を射殺し、小沢に関内殺しの罪を着せた上で山王会本家会長の座に収まった。しかし、ビヨンドでの最後は惨めだったな。そこがまた面白いか。
小日向文世
ヤクザではないが、この男がいないと話が回らないという狂言回しか。組織犯罪対策部(マル暴)の刑事の片岡役。大友の大学のボクシング部の後輩。 『アウトレイジ』・ 『アウトレイジ ビヨンド』 連続2作の元凶。 ヤクザを食い物にする悪徳刑事。ヤクザ以上にヤクザなヤツ。最後は、あっけなく、タケシに殺されて終わる。軽さのワルが良かったかな。
西田敏行
やはり、若頭系のヤクザの中で、滅茶苦茶存在感のあったのは、関西ヤクザ花菱会の若頭西野役の西田敏行だろう。渋かったねぇ。この顔。関西弁も上手だったぞい。布施の後任である野村(故大杉連役)を快く思っておらず、彼に対する反感を隠そうとしないため、野村の方からもその存在を疎んじられている。最後まで、生き残るワル。
大森南朋
『アウトレイジ 最終章』 にだけ出てくるヤクザ。韓国・チェジュ島側の張グループに所属する用心棒で、今作における 大友(タケシ)の舎弟的存在。大友に呼ばれ花菱会との抗争にケリをつけるために来日し共に活動する。花菱会との一連の抗争の終結後に、大友の勧めによってチェジュ島に帰ることになる。パーティー会場でのタケシと大森南朋よるアサルトライフル乱射のシーンは圧巻です。
他にも名ヤクザ役者多数
とにかく、これでもかと、ヤクザ映画にヤクザ役で多数の俳優が出ていた。塩見三省、白竜なんかは、ヤクザそのものですよね。ちなみに、あの関係の新井浩文とピエール瀧まで出ておりました。残念ですね。良き演技をしていたのにね。
ところで、高橋克典がヒットマンで何も喋らずに出ていたのは知っているかい?
何故、アウトレイジか?
暴力と怒号と殺人ばかりに目がいってしまうけれども、これは、そういう面でなく、暴力団というか組全体を1つの会社組織集団と考えると、ナカナカの面白い現象を観ているのだなと思ってしまう。それは何か?
実は、このアウトレイジ3部作の面白いところは、会社の人事や派閥に関する上層部の悪だくみと言って良いのかは問題があるが、それと全く同じなのである。権謀術数に長けているヤツが生き残ると言っても過言ではない。会社組織は公正でマトモな世界であると思っているような前近代的な人はいないだろう。
このアウトレージのヤクザの組織の中では、ヤクザとして親と子の契りを結んだところでも、自分の利益のために、親に対しても子に対しても簡単に裏切るのである。会社組織も同じである。人は自分の都合の良いようにしか動かない。コンプライアンスとか内部監査とか言ったところで、人間は、まともに見える会社組織の中でも、アウトレージのヤクザと同じようなことをしているのである。どっちにつくんだとか、どうしたら上に上がれるかとか。会社組織では、それをあたかも誠実に仕事をしているように行動できる人間だけが生き残っていくのだ。
極端な言い方ではあるが。ヤクザの場合は、それが武力・暴力に転嫁しているだけなのだという観点でこの映画を観ていたら、そうだよ、会社にもコイツと全く似ているヤツがいるよとか上司でもいるよな、責任取らずに上手に生きている嫌なヤツとか想い出せて、大変爽快でありました。
まあ、そんなこんなで、とてつもなく銃を撃ちまくって、ただただ暴力を描き出しているけど、こういうエンタメありってな感じで、会社組織や自分の知り合いを想い出しながら、映画を観ていくと、結構面白いことに気づく感じであります。アウトレイジ3部作でありました。
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