不良中年シリーズ①(嵐山光三郎の場合)

小説

小説家の不良たち

不良中年は多い。近頃は、不良老年までいる。

そして、小説家には、不良中年オヤジが多い。

どちらかと言えば、若い時から不良だったような奴が、若い時に何故か小説を書き、賞を受賞し、小説家のまま、不良中年になったというケースが多い。

丸山健二も村上龍もそうだ。

村上龍は途中から何故か知識人の方へ転向したが。

丸山健二はそのまま不良のまま、不良中年、不良老年となり、独自の小説世界に入り込んでしまっている。信州に独自の庭を造り、その中から出てこない。

高齢化社会における不良中年

今回から、折をみて、不良中年について、何かを書いていくつもりになった。

どうにもこうにも、日本の社会は高齢化社会になり、中高年の多いこと。

そして、ネット社会のお蔭か、誰もが表現できる場所を持てるようになってきた。

そういうこともあって、正当な不良中年(?)というものを確認しておかないといけないような気がしてきたのだ。

そう、悪になってはいけないのだ。

善としての不良中年の魅力と必要性について、考えることがこれからの高齢者社会にはきっと必要になってくるだろう。

これは、男だけの話ではなく、当然、女にとっても、重要なことなのだろうね。

嵐山光三郎しかいない

光三郎、ギンギン

そこで、不良中年オヤジの最初の記事は誰にするかと考えたところ、やはり、嵐山光三郎しかいないでしょ。今現存の書き手としては。

何故って、そもそも不良中年のことや不良老年のあたりをフォーカスして、特に、50歳以降、精力的に作品を出してきたのが、まさに彼だからだ。

読む限り、この男、老いてから、益々、元気。作品を精力的に発表し続けている。

中年どころか、老年になって、ここまで本を出すかと言うくらい、凄い。精力絶倫である。老いてからの頑張りぶり、絶句。

この男、エッセイだけでも不良定年に移行し、今では追悼文エッセイや死についての考察まで記している。死に方も不良を極めるべしというところまで来ているのだ。

粋な男だ、嵐山光三郎

嵐山光三郎。この作家というか、不良中年オヤジには、青森空港で見かけたことがある。まだ、TDA(東亜国内航空)の飛行機が飛んでいた頃で、確か夏だったはずだ。

その時、彼は、確か、パナマ帽に、パパスのアロハシャツに、綿の夏の白いコットンパンツで、口髭を蓄え、サングラスをかけ、歩いていた。肩に、革のボストンバッグを持って。かなり、粋な格好だったのを覚えている。

どう見ても、タダモノではない。顔色も日焼けして、血色の良いこと。こやつ、やるな、という感じだし、目立っていた。正直、他の人とは色が違う。浮いていた。オーラが出ていた。

こいつ、本当に、不良中年を遊んでいるなという感じだったな。その時、「不良中年は楽しい」というエッセイは前から読んでいたので、すぐに彼だと分かった。そして、彼のエッセイの意味や事実が本人を見て、すぐに理解できたのだった。

そう、こやつのエッセイには、こやつの現実にしてきたことが書かれている。

雑誌編集長になり、テレビに出て、ギャンブルにのめり込み、株投資をやり、金持ちになり、ビンボーになり、コジキにもやり、作家にもなった。

嵐山光三郎の不良中年オヤジの条件とは

この男の言う不良の条件が面白い。

1.不良オヤジはギャンブル魂を飼いならせること。

2.不良オヤジは、老いては色欲に従う。

3.不良オヤジは、放浪する。

4.不良オヤジは先人の不良オヤジに学ぶべし

先人に学べ

ギャンブルは人生の教科書と彼は言う。そして、阿佐田哲也に学び、勝負の極意を知る。50を過ぎたら、競馬より競輪。棋士故芹沢博文を愛する。

不良オヤジの色欲の大先輩は、永井荷風であり、川端康成だ。太宰治、坂口安吾、檀一夫等々、文人の不良は沢山いる。近いところでは、深沢七郎だな。このあたりのことは嵐山は自分の著書でも述べている。

不良中年オヤジの放浪の理想的なオヤジが、松尾芭蕉だ。奥の細道だ。かなりのワルだった。この芭蕉を真似たのが、与謝野蕪村と小林一茶。放浪し、句を詠む。しかし、西行やゴーギャンこそが、放浪の天才かもしれない。彼らの本が中年のバイブルかもね。

嵐山光三郎は放浪長じて、旅行と温泉紀行のエッセイシストでもある。嵐山のような旅行をしてみたいものです。

中年オヤジへのための20の箴言

最後に、嵐山の中年オヤジへのための20の箴言を書いておこう。

①なれぬことはするな ②威張らない 

③自慢しない ④分析しない

⑤怒らない ⑥短髪にする 

⑦上等の服を着ろ ⑧靴も上等

⑨時計は安物でいい ⑩金離れをよくする

⑪温泉 ⑫女を理解するな 

⑬泣くな ⑭やせがまん 

⑮年増女がいい女である 

⑯口説きは迅速に 

⑰負けてこそギャンブル

⑱宗教を信じるな 

⑲自分の力を信じる ⑳孤立を怖れるな

嵐山光三郎 | 著者プロフィール | 新潮社
嵐山光三郎のプロフィール:1942(昭和17)年、静岡県生れ。雑誌編集者を経て、作家活動に入る。1988年、『素人庖丁記』により、講談社エッセイ賞を受賞。2000(平成12)年、『芭蕉の誘惑』(後に『芭蕉紀行』と改題)により、JTB紀行文学大賞を

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