久しぶりに、チャーリー・ブラウンとスヌーピーと仲間達と谷川俊太郎に逢ってみたのであった。やっぱり、良いよね。この世界。シニカルなところがあるけれど、とても、良い感じ。こんな世界になったのだけど、今、何故か、癒されるね。
ピーナッツと谷川俊太郎の世界 SNOOPY&FRIENDS
谷川俊太郎さんが「PEANUTS」の作者シュルツさんやスヌーピーなど、各キャラクターに捧げる詩を作りました。かわいいだけではない、コミックの深さや広さを体感できる1冊。
その一部を少しだけ、見てみよう。本のご紹介です。
チャーリーブラウンと仲間達との久しぶりの邂逅が嬉しいね。
そして、谷川俊太郎の愛溢れるコメントというか詩というか、その表現に、心が癒されたりして、何とも言えず、良いね。
チャーリー・ブラウン
いっきみはひげが生えるの 丸い頭の子 ぼくらがみんな ゲート・ボールしかしなくなっても きみは相変わらず野球に夢中 ジャンパーのポケットに手をつっこんで 不死なる敗北を嘆きつつ歩むきみの姿に スーパーマンは顔を赤らめ ハムレツトは顔をそむける |
胃が痛い… あんまりいろんなこと心配しすぎるんだな…
心配すればするほど胃が痛くなる 胃が痛くなればなるほど、よけい心配する
ボクの胃は、ボクを憎んでる!
スヌーピー
タイプライターが打てるくせに きみはドツグ・フードを食べるとき フォークもスプーンも使おうとしない そんなきみがぼくは好きさ 「世界的に有名な」 自分にちっとも気づかず いまだにきみは 「世界的に有名な」外科医を 撃墜王を ゴルフ選手を夢見つづける そんなきみがぼくは好きさ |
ビーグル犬。 自分を犬だとは自覚していない。 ありあまる想像力でいつもなにかを夢想している。 |
ホントは、ビックバンドがほしいところ、さ
ルーシー・ヴァンぺルト
誰もが自分のうちにきみを見る 意地悪は人間への情熱のあかし 愛のあかしとは言わぬまでも わざとフライを とらないのだと知っていても ぼくはきみを責めはすまい いい子ばかりの 人生なんて味気ないのだから |
いつも元気で強気な女の子。 他人のあらを探し、自分の欠点は見逃す。 シュローダーには恋する女の子に変身する。 |
あなたわたしを信じないのね?
でもね、女が男よりリコウっていうことは科字的事実なのよ!
それを誰が発見したと思って? ああ、ヤレヤレ! それは女性科学者よ!
ライナス・ヴァンペルト
毛布は永遠だ ぼくらはみんな身に覚えがある 毛布の代わりの貯金通帳 毛布の代わりのおふくろの味 カボチャ大王だって永遠だ ぼくらはみんな身に覚えがある 真夜中に夢が本物の涙を流させること 真つ昼間に夢が奇跡をもたらすこと |
ルーシーの弟。記憶力にすぐれた哲学的な思考の持ち主だが、 幼児性もあり、安心毛布を手放せない。 |
多分ぼくのほうがねえさんより味がいいんだ!
サリー・ブラウン
学校嫌いの子どもたちの守護神 あどけない顔つきできみはあばく あらゆる知識にひそむ無意味を きみは核戦争だって生き延びるだろう そのたくましいエゴイズムで |
わたしえらくなりたいなんていわないわ 大きくなったら結婚していい奥さんになり いいおかあさんになるだけでいいの |
どうして幼稚園になんかにいかなくちゃならないの?
シュローダー
きみが保守的な男だってことは分ってる きみはシンセサイザーを欲しがらない きみはケージに興味がない ペダルもない玩具のピアノで きみは今日もベートーベンを弾いている ルーシーに邪魔されながら それはとてもいい人生だとぼくは思う |
私が年とって白髪になっても愛してくれる さあね
もしも今愛していないなら、年とって白髪になったときどうやって愛せる?
どうなるかみてみましょうよ!
ウッドストック
スヌービーの親友の渡り鳥。 名付け親はスヌーピーで、彼の言葉はスヌーピーにしか分からない。 |
飛ぶのが下手なことを 自慢しないかわり恥じもしない きみはあるがままの自分を受けいれる 人間の言葉はひとことも喋らないのに ぼくにはきみがよく分かる それは不思議なようで当たり前なこと 小さいくせに1本の羽毛の先まで きみはきみ自身なのだから |
ほんとかい?そりゃ、ありがとう・・・ほんとにきれいだね?
ぼくはすてきな空をもってるって
ペパーミント パティ
世の中はほんの少ししか変わらない きみが居眠りしてる間に だからきみは安心してられる あらゆる科目に落第点をとったって 生きることの喜びと悲しみに落第はない きみの無知がきみの力 |
若すぎるからチャックのお見舞いはできないですって?チェッ!
そんなら私達は道のむこうから公園のベンチに座って彼の病室を見上げるわ!
だれでも知っていることよ。マーシー、友達が病室を見上げてくれるって分かったら、病人早くよくなるわ・・・
先生は医者になるべきでしたね。
谷川俊太郎の言葉
マンガ『チャーリーブラウン』とは何だろうか、ということになるのだけれど、それは、やはり、この『SNOOPY&FREIENDS』の谷川俊太郎のあとがきに尽きるのだろうね。常に、僕らの横にいる人生の何たるかを感じさせてくれる仲間達というところなのかな?厳しい世の中でも、やはり、そばに置いて、読むべきマンガなんだろうな。チャールズ・M・シュルツっていう人は凄い人だね。
チャーリーブラウンは、いったい何歳なんだろう? 七歳に見える時もあるし、三七歳に思える時もある し、七〇歳に感じられる時もある。単純な姿のわりに屈折した心のもちぬしでマンガの 主人公のくせに「憂愁」とでもいうほかない表情をし ているが、彼とその仲間達の生きている世界は、まぎれもなくわたしたちの生きている世界そのものだ。 チャーリーブラウンもスヌーピーも、ルーシーもライナスも、わたくしはどうしてもきらいになれない。わたくしが自分をきらいになれぬと同じように。 彼等はわたくしたちと運命を共にしている。わたくしたちは彼らと運命を共にしている。甘さ、からさ、すっぱさ、しぶさ、にがさーーこのマンガには人生のあらゆる味がある。 |
彼らの姿に、僕らは、今、何を見るんだろうね。
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