記憶屋 あなたを忘れない

芳根京子
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芳根京子

この映画を遅まきながら観た。理由は、題名から。もしくは、ジャニーズ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が主演しているので。彼の演技はかなり上手いので、前回の『ナミヤ雑貨店の奇跡』も面白かったこともあるとか。だが今回は、そういうことよりも、芳根京子が出演しているからというところが一番大きかったというのが正直なところ。彼女の出演している映画やドラマは結構面白かったことも多く、大概の彼女の役柄がそのテーマの仕事の新人を多く演じているのだが、その初々しさもさることながら、結構重要なキイパースンで使われていてその重責をしっかりこなしているので気になっている推しの女優であるからなのであった。どの映画でもドラマでも、そうなのだ。

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出典:(C)2020「記憶屋」製作委員会

この『記憶屋』での芳根京子は髪を短くしていることもあるが、初めは彼女が芳根京子なのかと気がつくことも難しいくらいに、本当にただの脇役なんだろうなという感じで入ってくる。しかし、話が進むうちに、彼女の存在が少しずつ大きくなっていくという演出にもなっており、そこがとても面白いちょっとしたサスペンス風でもある。

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出典:twitter.com

記憶という重要なテーマ

言ってみれば、この映画も、超能力者に関する映画であるのだが、「記憶を消す」というテーマは今までここまで全面に題材として中心にしたものもなく、斬新とも思える。(洋画では『エターナル・サンシャイン』があったが)そのメッセージは、自分にどうしても忘れたい事件や過去があったときや大事な人の辛いことを忘れさせたいときに「記憶を消してあげる」ことで、新しく生きていって欲しいという願いを込めている。そして、辛い記憶を消してしまうことが全て良いことなのかというアンビバレンツな問題点も指摘しているのでもある。

ありえない超能力者の話であるが、この「記憶」ということについて考えさせてくれる映画である。そう、人間にとって、生きていく上でとても大事な要素の1つなのである。記憶。人間は忘れることが出来るから生きていけることもある。そして、大事な人が死んだとしても記憶の中に残っていれば、それはその人が心の中に生きているということでもある。この大事な記憶ということについて、真っ向から教えてくれるのである。

痴呆症の問題がある。想い出は消えてほしくはない。想い出や記憶があるからこそ、人は人と繋がっていける。記憶というとても重くて重要なテーマ。ファンタジーのような話であるが、その意味するところは大きいと思う。

この映画を観て、私は小さい時のことを想い出した。そういう1つ1つの記憶が累積されて今の自分があることの不思議さを何故か感じてしまった。そして、思うのはあまり嫌な想い出は出てこなかったことだ。多分、永らく生きていると、記憶にも浄化作用があって良い想い出がより濃く残り悪しき記憶は消えていくのかもしれない。それでもとても辛い生死に関わるような記憶があった場合、この映画のようにそれは胸の奥深く消えることがないのだから白紙に戻してくれる記憶屋がいれば良いのだろうね。これは遠い未来、医科学的な方法が生まれるかもしれない領域かもしれない気がします。本当に、難しいテーマだね。

記憶屋という映画


記憶屋 あなたを忘れない DVD通常版

人の記憶を消せる“記憶屋”っていう人がいるらしい―。
大学生の遼一(山田涼介)は、恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズをOKしてもらい幸せの絶頂にいたが、その翌日から杏子と連絡が取れなくなってしまう。
数日後、偶然に駅で杏子を見かけた遼一は声をかけるが、杏子は遼一のことを一切憶えていなかった。
実は遼一は過去に同じ経験をしたことがある。幼少期に幼馴染の真希(芳根京子)が同じように一部の記憶を失ったのである。
遼一は都市伝説的な“記憶屋”のことを知り、真希と弁護士の高原(佐々木蔵之介)とともに、杏子が記憶を失った原因を探すことに。高原は記憶屋の存在に半信半疑ではあったが、一人娘のために記憶屋に会って、ある記憶を消したいと思っていた。高原に残された時間があとわずかだった。
記憶屋の正体に近づくにつれ、遼一は多くの人が記憶屋に人生を救われていることを知る。だとしたらなぜ杏子の中から遼一の記憶だけが消えたのか。
記憶をめぐる様々な愛を知り、彼らがたどり着いたその先には、運命を大きく変える真実があった―。

ストーリー

映画公式サイト

https://kiokuya-movie.jp/

小説 記憶屋

第22回日本ホラー小説大賞で読者賞を受賞した織守きょうやの小説が原作。


記憶屋 (角川ホラー文庫)

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