ジョン・カーペンター監督の向こう側①

ジョン・カーペンター

貴方は、ジョン・カーペンター監督の映画作品を観たことがあるか?昔々の1970年から1980年あたりに、とても刺激的なホラー映画を出してきた映画監督なのだ。今も現役。彼の独自の映像世界を是非知っておいてほしい。隠れた映画界の巨匠。

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吉祥寺の映画館

村上春樹の初期エッセイ『❛SCRAP❜懐かしの一九八〇年代』の中にも何回か出てきたのが、スティーブン・キングとジョン・カーペンター監督の映画の話である。回顧してみるに、あの時代の映画はどうなのかということになるのだが、当時俺が足繁く通っていたのは、吉祥寺のサンロードを超えたところの街道に沿いにあった映画館だ。なんてたって、オールナイトで3本建てで当時にしたら結構エキサイティングな話題の俳優の映画とか監督の映画を上映していてくれたのだ。知る人ぞ知るとても親切な映画館だったのだ。

だから、村上春樹のエッセイを読んだときに、ジョン・カーペンターの話が出てきて、嬉しかったね。この映画監督の映画はマジで面白かったからね。村上春樹の言っていたあたりの映画などについて、少し紹介してみよう。

ジョン・カーペンター監督映画

基本的に、ジョン・カーペンター監督は、ホラー系映画の名手と言われている。それで、スティーブン・キングなどの小説の映画監督をしている。

遊星からの物体X:The Thing(1982)

何と言っても、彼の作品の中で、最高に面白かったのは、『遊星からの物体X』であろう。この1980年代にこれだけのSF作品を造れたのは凄いことだと今でも思っている。後の、エイリアンシリーズの映画に影響を及ぼしたのは間違いないだろう。そのくらい、怖いが面白い映画作品となっている。


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その恐怖は一匹の犬から始まった。
見渡す限り氷に囲まれた白銀の大雪原をヘリコプターに追われて逃げる犬は、アメリカの南極観測基地へと辿りつく。ヘリコプターを操縦するノルウエー隊員が銃を乱射したため、アメリカ隊員はやむおえず彼を撃ち殺すが、やがて、ノルウエー隊員が異状に錯乱していた理由が明らかになる。なんと犬の正体は10万年前に地球に飛来したエイリアンだったのだ!接触するものを体内に取り込むエイリアンは、巧みに人間の姿に変身、吹雪に閉ざされた基地内で、隊員たちは互いに疑心暗鬼になっていく。そんな中、彼らは挙動不審なマクレディ(カート・ラッセル)をエイリアンではないかと疑うが・・。

内容説明

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次のカスタマーレビューに、この映画の素晴らしさが凝縮されている。

1982年公開作品。1951年映画『遊星よりの物体X』のリメイク…といおうか、ジョン・W・キャンベル Jr.の古典SF小説『影が行く』の二度目の映画化と紹介した方が適切でしょうか。タイトル(原題:The Thing)こそは『遊星よりの物体X』(原題:The Thing from Another World)を踏襲したものの、舞台設定ともキャラクター設定も原作からは大幅に変更された『遊星よりの物体X』とは異なり、舞台は原作通りの南極の観測基地、登場人物の設定もストーリーも原作小説を踏まえたものに。1930年代の原作を1980年代の設定で映画化しているのに違和感がなくて感心させられます。基地から材料を集めてエイリアンが円盤を作っていたところまで原作通りだったんだから驚きましたよ。
1950年代には技術的に困難だったと思われるエイリアンの特殊能力も、1980年当時の特撮技術を駆使して映像化。吸収した生物に擬態できるという原作の設定を取り込み、原作以上にぐちょぐちょどろどろなことになっているのであります。『遊星よりの物体X』では基地の隊員たちがとても統制が取れており、エイリアンの脅威に対処するのですが、こちらのエイリアンは原作通りの擬態能力を持っているので、誰がエイリアンなのかと疑心暗鬼に陥り、争いに発展するパニック描写は原作以上に力が入っています。
そして、原作や『遊星よりの物体X』との最大の違いは、どちらも人類がエイリアンに勝利するというハッピーエンドで物語が終わったことに対して、登場人物がほとんど犠牲になってしまい、最後まで生き残ったマクレディ(演:カート・ラッセル)も南極からの生還は覚束ないという点。絶望的な余韻を残したエンディングは1980年代のホラーらしさといえるでしょうか。もともとジョン・カーペンター監督はホラー畑の人だったからね。
途中で姿を消し、最後に突然戻ってきたあの人物は人間? エイリアン? ある理由から後者なんだと判断したら、Wikipediaによるとジョン・カーペンター監督はそれを否定しているのですよね……

カスタマレビュー

クリスティーン(1983年)

村上春樹も言っているが、無機物を主役にした映画なんて、そんなにないのである。ジョン・カーペンター監督は、それを簡単にやってしまったのである。なんと、主人公は、クリスティーンという名の一台のビンテージカーなのだ。こんなホラー小説を書くスティーブン・キングも凄いが、それを映像化出来てしまう、この監督も凄すぎる。そして、内容は面白いのだ。遊星からの物体Xといい、ジョン・カーペンターは1980年という古き時代にここまでの映画を製作していたのである。脱帽でしかない。


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内向的な少年アーニーは、学校の帰り道にスクラップ寸前の車“クリスティーン”を見つける。一目惚れした彼は車の虜となるが、“彼女”はただの車ではなかった。自らの意思を持ち、“彼女”の美と自尊心を傷つける人間を襲う、恐ろしい車だったのだ。そんな事とはつゆ知らず、アーニーは大金をはたいて、“彼女”を手に入れるが・・・。

内容紹介

ジョン・カーペンターを知る本

ハリウッド映画界の隠れた巨匠。その映画に魅了された映画好きは多い。この映画監督を知るための本を紹介しておく。

映画秘宝ディレクターズ・ファイル:ジョン・カーペンター 恐怖の倫理 


映画秘宝ディレクターズ・ファイル ジョン・カーペンター 恐怖の倫理

長編デビュー作『ダーク・スター』から9年ぶりにメガホンをとった最新作『ザ・ウォード/監禁病棟』、さらには短編、脚本、出演作まで全作網羅!超コア研究本!鬼才監督のすべて。

内容説明

恐怖の詩学 ジョン・カーペンター―人間は悪魔にも聖人にもなるんだ (映画作家が自身を語る) 


恐怖の詩学 ジョン・カーペンター―人間は悪魔にも聖人にもなるんだ (映画作家が自身を語る)

神なき時代をサヴァイヴするホラー哲学の全貌!『ニューヨーク1997』『ハロウィン』『遊星からの物体X』『ゴースト・オブ・マーズ』などで、独自の映像世界を創り出してきたSF・ホラー映画の巨匠のすべて。

内容紹介

今回は、ジョン・カーペンター監督の中の2本『遊星からの物体X』『クリスティーン』の紹介に留まったが、次回、他の作品も紹介していく。

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