家にいる機会が多ければ、ビデオを借りる。映画は正直ほとんどのモノを観てきているのが、この映画はスケジュールが合わずに、駆け付けられなかった。原作漫画も見ていないので、この際に両方を会社の休みが続いたのでゲットして、とくと鑑賞をおこなったのであります。なかなかの面白い切り口ではあったなというのが最大の印象であったかな。そんなこんなで、紹介だけはしておきますね。
漫画編
原作はあのドラゴン桜の三田紀房である。この漫画家の漫画は、受験、株投資、戦争と、とにかく、守備範囲の関連性を全く感じさせない広さである。
あらすじ
漫画における「アルキメデスの大戦」は、Wikipediaであらすじを掴むのが妥当だろう。
「これからの戦争は航空機が主体になり、巨大戦艦は不要になるであろう」と考えている山本五十六海軍少将は、平山忠道造船中将が計画している無駄に大きい巨大戦艦の建造計画案ではなく、対航空機戦闘を考えた藤岡喜男の空母案に賛成する。一方、平山は不当に安い見積もりで、自らの巨大戦艦の建造案「大和」を新型戦艦造船会議で通したいと考えていた。平山の計画を阻止するために、山本は、元帝大生の櫂 直(かい ただし)を海軍主計少佐に抜擢する。櫂少佐とその部下田中正二郎少尉は、特別会計監査課の課長として、平山案の見積もり金額の嘘をあばくために奔走し、その過程で日本の技術戦略にまつわる数々の矛盾に直面していくことになる。
Wikipedia
ヤングコミック公式サイト
さかのぼる事、1933年。 前年に満州国樹立を宣言した日本と中国大陸を狙う欧米列強の対立は激化の一途を辿っていた。 世界が不穏な空気に包まれていく中、日本の運命を左右することになる重大な会議──新型戦艦建造計画会議──がいま海軍省の会議室で始まろうとしていた。 それは次世代の海の戦いを見据える“航空主兵主義”派と日本海軍の伝統を尊重する“大艦巨砲主義”派の権力闘争の始まりでもあった‥‥。
レンタ!
レンタ!で漫画を借りて、安く、読むというような手もあり。
漫画そのもの
映画編
映画全体感想
戦艦大和の建造をめぐるさまざまな謀略を描いた三田紀房による同名マンガを、菅田将暉主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴監督のメガホンで実写映画化。舘ひろしが山本五十六役を演じるほか、浜辺美波、柄本佑、笑福亭鶴瓶らが顔をそろえる。
とにかく、映画冒頭の戦艦大和が沈没するシーンは圧巻でした。日本のVFX技術もかなりのレベルに来たかという感じでした。そして、この沈没シーンは、ラストに繋がることだったのだ。ラストあたりで、造船中将を演じる田中泯が菅田将暉(櫂少佐)に話をする。日本は確実にアメリカに負ける。しかし、日本人は、 戦争に負けないと信じている。日本を象徴する不沈艦である戦艦ヤマトが沈没してもらうことで、愚かな戦争をあきらめさせるためにも、日本人に引導を渡すために必要な軍艦なのだと。これが、実は一番の大きなテーマだったのかと。この発想の転換的発言にも驚きでした。
配役
配役に関しては、若手の菅田将暉・ 浜辺美波・柄本佑に、そうそうたる老練の俳優人達が脇を固める。軍服姿の美しい舘ひろしの山本五十六を始めとして、國村隼、橋爪功、笑福亭鶴瓶など、ナカナカの役者が集まったといえよう。しかし、この映画で一番の輝きを光ったのは、誰が観てもそう思うだろうが、田中泯であった。あまりに、渋すぎたとしか言いようがない。
田中泯
山本五十六が推進する空母案に対して、田中泯演ずる平山忠道造船中将が推進する大きい巨大戦艦の建造計画案のどちらを採用するかが海軍上層部で会議が開かれる。この時の田中泯の演技が良過ぎた。眼鏡の向こうから見える鋭い眼光。 そして、寡黙であり、無駄な喋りはしない。話をすると、静かに、単刀直入に短く簡潔に物事を述べる。田中泯は武士の役が多かったと思うが、そこには、まさに、武士の精神を継いだ軍人としての静謐な力強さがあった。
舘ひろし
山本五十六役の舘ひろし。珍しく、丸刈りに感じれるような短髪にして、彼も海軍の士官として、極めて存在感のある演技であった。彼を五十六に持ってきたのは正解であったろう。
柄本佑
柄本佑が演じる田中正二郎少尉。最初、自分より歳も若く軍人を嫌う菅田将暉演じる櫂少佐に反発を覚えるが、何もない中、櫂少佐の軍艦建造費用を計算し目的を達せようと努力する不屈の精神に心を打たれ、バディとして、彼のために尽くす男を好演した。今、吉高由里子のテレビドラマのモトカレ役でもかなりの人気を集めている。若手性格俳優の名優といえるか。
浜辺美波
日本の美しい女優に選ばれるだけあって、昭和の女という役割もそれなりに演じられたかもしれない。菅田将暉が、巻き尺で彼女の顔の縦横をはかり、その黄金比に感動する場面は、面白い。確かに、美の黄金比かもしれないな。
菅田将暉
若手なのに、かなりの映画の主役を何本も撮っていて、かなりの幸せな映画役者人生を送っている人。多分、どの映画でも、その映画の主人公としての味を十分に発揮して映画を面白くさせている人間なのだろう。多分、監督を始めとする映画スタッフが彼にはかなりの高感度を持っているのではないだろうか?なので、周り廻って、彼には主演級映画のニーズが届くのだろうね。
結論
アルキメデスの大戦という映画と漫画は面白い。映画の方では、田中泯と菅田将暉に軍配あり。良き演技で、この映画を引っ張っていた。戦艦大和建造秘話と言う戦争モノ映画であるが、数学の天才を持ってきて、面白いストーリーに出来上がっている。おススメであります。
俳優菅田将暉に関しては、近いうちに、特集の記事を書くようにしますね。
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