人は歳を取る。そして、体は老いる。
しかし、心には熱いものが逆に増える。
そして、オヤジの世界はメンドクサイかもしれない。
だからこそ、そこには、観るものを感動させる何かがあるのかもしれない。
今回のジャッキー・チェンも、リーアム・ニーソンと同じように、オヤジだ。だからこそ、渋い。
映画「ザ・フォーリナー/復讐者」
ジャッキー・チェンがおなじみの笑顔を封印し、孤独で冷徹な復讐者をシリアスに演じたサスペンスアクション。
元アメリカの特殊部隊員のクァン・ノク・ミンは、現在はロンドンでレストランのオーナーとしてつつましく暮らしていた。
ところがある日、高校生の愛娘が爆発テロに巻き込まれて死んでしまう。
そこから、ジャッキーの復讐劇が始まる。
オヤジのジャッキー・チェン
撮影時62歳。今は多分64歳のジャッキー・チェン。
この映画で新境地に入りました。いつもの笑顔のジャッキーは完全に封印されました。最初から最後まで沈痛な表情を浮かべています。
それは映画の設定が一人娘をテロで奪われた主人公の役ですから当然ですが、それだけとは言えないジャッキー・チェンの魅力がそこら中にありました。
オヤジになったジャッキー、渋すぎますぜ。
俺は、ジャッキーに、このオヤジ路線で、これからもっと映画にしてもらいたいなあ。
オヤジ・ジャッキーの魅力
このジャッキー、かなり良いよ。新しいジャッキー・チェンのどんなところが良かったか、具体的に言ってしまおうね。
1.普通に頼りなく弱そうで優しそうなオヤジだが、強い。
2.アクション・コメディの部分は一切ない。
3.悲痛な心持のまま復讐を淡々と実行する特殊部隊出の男。
4.真実を追い求める姿と娘を想う気持ちが彼の表情に終始一貫出ている。
5.彼の復讐手法は容赦ないが、人間味がある。
6.この男、寡黙である。
ジャッキー・チェンの今後
ジャッキー・チェンのこの映画、『ザ・フォーリナー/復讐者』で、彼は、寡黙な復讐のオヤジを完璧にこなした。
そうなのだ。あのリーアム・ニーソンばりに、静かに怒れるオヤジ復讐者を演じたのだ。
出来得るのなら、このようなオヤジ・ジャッキー・チェンの怒れる復讐者シリーズを映画にしてもらいたいと思う。
この映画でのジャッキー・チェンがそうであったように、アジア人俳優には、この沈黙の表情演技で人を魅了することができる。
特に、 ジャッキー・チェンは空手に秀でた人間だからこそ、 この深い沈痛な寡黙な演技は何とも言えず魅力的だ。
言葉にせず、気持ちがわかる。高倉健がそうであったように。
なので、ジャッキーには、このラインでの活躍に期待したい。
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