時代の転換期
その昔、陸奥A子という人気漫画家がいた。レジェンドである。
漫画雑誌『りぼん』でデビューし、大ヒットした。
何とも言えないメルヘンほっこり青春ラブ漫画であるとと同時に切なさもあり、その絵の可愛さで多くのファンを作った。
今では、ネットを調べてみると、おとめちっく漫画として紹介されている。
あの時代を生きた人には懐かしい漫画のはずである。軽いタッチが独特の絵柄で、少女心をくすぐる情緒あるラブコメディが殆どだった。
それは時代の境目であったことも関係するのであろう。こんな考えをする人たちが多い。
モノの消費から記号の消費へ、「進歩」から「差異化」へ、男の子の夢から女の子の夢へ。『りぼん』のふろくがファンシー化を開始する’74年は高度成長の時代と消費社会の時代のちょうど境界に位置する時間である。〈物語〉と〈商品〉の間に成立した〈ふろく〉を通して、80年代〈消費社会〉誕生の光景を描く。田渕由美子、陸奥A子への10の質問を付す。
『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの
確実に、一つの転換期に移行していた時代であったのだ。戦後として戦争を知らない若者たちが台頭してきて、とにかくモノが市場に溢れ出しコマーシャル化され消費に向かっていった時代なのである。
そこに突如現れた陸奥A子の漫画。男性中心の世界から女性中心の世界への転換の始まりなのであったのだろう。若い男性すらも、それを受け入れていった。
あのリリー・フランキーですら、陸奥A子の存在を認めていた。
天才的漫画家である江口寿史に、彼女の存在を、「あらゆる面で画期的」とまで言わせしめた。
おとめちっく系作品
たそがれ時に見つけたの
冬の夜空にガラスの円盤
黄色いりぼんの花束にして
たとえば私のクリスマス
おとめちっく系セレクション
ちょっとした画像
大人系作品
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【カスタマーレビュー】
20年以上も前からの陸奥さんのファンですが、このパソコンカフェの登場人物は実に昔の陸奥さんが書いていた優しい、主人公が連なって出てきたような感じでした。
タイトルと陸奥さんが遠く離れているようなイメージがあったのですが
とてもうまい具合にかけていて、懐かしくもさえなる本でした。
やっぱり永遠の少女の心を書く陸奥さんならではが、大人でも心洗われる漫画です。漫画とはいえ、変な小説よりとってもいいかもしれません
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