声が出なくなって1週間近い。ようやく話せるようになってきた。老いだ。厳しいね。
しかし、老いても、面白い男を映画にした奴を観た。
運び屋
クリント・イーストウッドだ。「運び屋」だ。90歳の孤独な男。テーマの奥にあるのは家族愛。この親父、この歳になっても、考えさせる奴だ。映画の流れの淡々さが逆に、こいつを引き立たせる。流石だね。映画人。ド派手なSFX的映画主流の中で、見せるねぇ。天晴れ。
イーストウッド演じるアール・ストーンは80代の男。家族と別れ、孤独で金もない彼に、事業差し押さえの危機が迫っていた。そんな時に、ある仕事が舞い込む。ただ車を運転すればいいだけの訳もない話だ。しかしアールが引き受けてしまったのは、実はメキシコの麻薬カルテルの“運び屋”だった。たとえ金銭的な問題は解決しても、そうとは知らずに犯してしまった過去の過ちが、アールに重くのしかかってくる。捜査当局やカルテルの手が伸びてくる中、はたして自らの過ちを正す時間は彼に残されているのか。
老けても渋い
歳を取ってからのイーストウッド作品
クリント・イーストウッドも、本当に長い俳優人生を送っているが、後半から監督もおこない、名作を幾つも制作している。
この男のパワーの源は何なんだろう。老人になっても深いしわが絵になる男。参考になる。
歳を取ってから、この男の演出する映画作品のヒューマンドラマの奥の深いことは、何だろう。信じられないくらい、考えさせられる。
歳を取っても、男は男であるべきだ、と。
名優たちの老人化について、これからも、しばしば見ていくつもりだ。何か人生を楽しむヒントを得られるはずだ。
ジャージ―・ボーイズ
彼らが生まれたのは、犯罪が日常茶飯事の、ニュージャージーで最も貧しい地区。そこから抜け出すには、軍隊に入るか、ギャングになるか、スターになるしかなかった。金も、コネもない彼らにあったのは、神から与えられた歌声と、曲を作る才能、そして見事に息の合った完璧なハーモニー。それだけを武器に、4人の若者はスターダムにのし上がった。しかし、強い光には濃い影が差す。待っていたのは、栄光の果ての挫折……。それでも、彼らは歌い続けた。
グラン・トリノ
自分は、引退を目前に控えたこの頃、子供とも疎遠になり、主人公の気持ちが分かる生活を過ごしていた。観光の仕事で接する言葉の通じないベトナム人との心の交流を経験していると、自然に物語りに自分が溶け込んでいく。穏やかなハッピーエンドを、ダーティーハリー的爽快さを加味して終わるのかと安心していたら、とんでもない。キリストの意思と最後の姿を垣間見た。人の命の尊い究極の使い方を教えてくれた。 しかし、それが出来たのも主人公の戦場での経験と鍛えられた精神があったからであり、一般的な老人には警察にお任せするしかないのだろう。それゆえに一般人があこがれる新しい形のダーティーハリー的映画だったとも思えてきた。
人生の特等席
スカウトマン、娘1人。キャリア最後の旅に出る。クリント・イーストウッド主演、ベースボールがつなぐ親娘の絆の再生物語。
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